大判例

20世紀の現憲法下の裁判例を掲載しています。

最高裁判所第一小法廷 昭和51年(あ)56号 決定

主文

本件上告を棄却する。

理由

被告人本人の上告趣意は、事実誤認、単なる法令違反の主張であり、弁護人大槻龍馬の上告趣意のうち、判例違反をいう点は、所論引用の各判例は本件と事案を異にし適切でなく、その余の点は、事実誤認、単なる法令違反の主張であつて、いずれも刑訴法四〇五条の上告理由にあたらない。

なお、公職選挙法二四七条が選挙費用の法定額違反を処罰する目的は、いわゆる金権選挙の弊害を排除し、かつ資金の多寡による選挙運動の不平等を防止しようというにあるから、同条にいう「選挙運動に関する支出」には、適法な選挙運動に関する支出のみならず、違法な選挙運動に関する支出も含まれると解すべきであつて、これと同趣旨の原判断は正当である。

よつて、刑訴法四一四条、三八六条一項三号により、裁判官全員一致の意見で、主文のとおり決定する。

(本山亨 岸盛一 岸上康夫 団藤重光 藤崎萬里)

被告人の上告趣意〈省略〉

弁護人大槻龍馬の上告趣意〈省略〉

自由と民主主義を守るため、ウクライナ軍に支援を!
©大判例